日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
【春陰】(しゅんいん) 春の曇りがちな天候。春の季語。 《広辞苑・第五版》 春は暖かい陽射しの降り注ぐ季節というイメージがありますが、実際にはど うかというと、意外に天候は不順で、どんよりとした空模様であることが多 いものです。 桜の時期のこうした空に対しては「花曇り」という言葉もありますが、春陰 は桜の時期に限らず、もっと広い時期のこうした空を表現する場合に使う言 葉です。 春は、草木は芽吹き育ち、花は咲き、野鳥は鳴き交わす季節ですが、その春 にあって陽射しの遮られた春陰の一日は、動き続ける自然が一瞬動きを止め たような、静謐な一日となります。 わくわくするような、軽快な春という季節の中で「シュンイン」という漢語 的、硬質な響きが、その一瞬の静謐の趣をよく伝えてくれます。
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