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★☆★☆★ 【日刊☆こよみのページ】2025/08/28 号 (No.6907)  ★☆★☆★
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 お早うございます。本日の暦データを配信致します。

【本日のヨミドコロ】
 前回に引き続き「江戸の不定時法」をめぐる質問特集です。
 卯の刻や酉の刻って、昼と夜で長さが変わるの? 二十四節気の切り替えで
 時の長さはどうなるの? 江戸時代の人々も悩んだ“時の不思議”を、今日
 はかわうそ流にスッキリ解説してみました。

読┃み┃物┃・┃目┃次┃
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□暦のこぼれ話 ・・・ 江戸時代の不定時法についての質問(2)

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★      ■■■ 令和  7年  8月 28日 の暦 ■■■       ★
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西暦 2025年  8月 28日  [月の] 第5週 第4木曜  [年の] 240日目 残り 126日
旧暦   7月(大)  6日 (赤口)
ユリウス通日 2460915.5 (日本時 9時の値)

暦と時節
 二十四節気 処暑 (8/23 ~ 9/6)
 七十二候  天地始めて寒し (8/28 ~ 9/1)

■祝日・節入日・候入日・雑節等
 天地始めて寒し 七十二候の一つ(41候)

■今日と明日の日干支と主な暦注
◆今日(8/28)のデータ
 六曜   赤口 [しゃっく] 悪日.万事忌む.但し昼時は障りなし
 日干支  己巳 [つちのとのみ]
 十二直  納  [おさん] 小吉.物品購入,新築吉.婚礼,見合い凶
 二十八宿 斗  [と] 土動かし,造作は吉
 二十七宿 氏  (※氏+一)[てい] 婚礼,移転,種まき吉.造作,着初め凶
 日家九星 七赤金星 [しちせききんせい]

 ◇主な暦注
  己巳   [つちのとみ] 吉日.巳待ちともいう.弁財天縁日
  大明日 [だいみょうにち] 大吉日
  神吉日 [かみよしにち] (神よし)とも書く.神事に吉
  重日   [じゅうにち] 慶事ますます吉,凶事ますます凶
  大禍日 [たいかにち] 凶日

◆明日(8/29)のデータ
 六曜   先勝 [せんがち] 朝~昼は障りなし.昼過ぎ~夕は悪い
 日干支  庚午 [かのえうま]
 十二直  開  [ひらく] 小吉.造作,婚礼吉.葬式などの不浄事凶
 二十八宿 牛  [ぎゅう] 吉祥.鬼宿に次ぐ大吉日.正午以外大吉
 二十七宿 房  [ぼう] 大吉.婚礼,旅行,神事,造作大吉
 日家九星 六白金星 [ろっぱくきんせい]

 ◇主な暦注
  大土始まり 
  大明日 [だいみょうにち] 大吉日
  神吉日 [かみよしにち] (神よし)とも書く.神事に吉
  復日   [ぶくにち] 慶事ますます吉,凶事ますます凶
  天火日 [てんかにち] 棟上げ,家屋修造等凶
  狼藉日 [ろうじゃくにち] 凶日
 参照:https://koyomi8.com/sub/rekicyuu.html (暦注計算)

■誕生花と花言葉
◆今日(08/28) の誕生花
 フロックス(草夾竹桃、花魁草) 温和・協調
 キキョウ(桔梗) 優しい温かさ・変らぬ愛・誠実
 フサスグリの実 私はあなたを喜ばせる

◆明日(08/29) の誕生花
 ハケイトウ(葉鶏頭) 不老不死
 サルスベリ(百日紅) 雄辯
 シュウカイドウ(秋海棠) 片思い・恋の悩み

 参照:https://koyomi8.com/cgi/today/bflower.php (今日の誕生花)

■今日の記念日
 ◇民放テレビスタートの日
  1953年(昭和28年)のこの日、日本テレビが民間放送として国内で初のテレ
  ビ放送を開始した。

 ◇不動縁日
  不動明王の縁日(毎月28日)

 ◇バイオリンの日
  1880年(明治13年)のこの日、東京・深川の楽器職人、松永定次郎氏によ
  って国産第1号のバイオリンが完成したことを記念して制定。

 ◇気象予報士の日
  1994(平成6)年、第1回の気象予報士国家試験が行われた。
  合格率は18%だった。

 ◇一太郎の日
  日本語ワードプロセッサ「一太郎」の初代バージョンが発売された1985
  年 8月28日を記念し、発売元の株式会社ジャストシステムが発売から25
  周年にあたる2010年に制定。

 (以下にも多数の記念日有り。続きは↓のサイトでどうぞ)
 参照:https://koyomi8.com/cgi/today/today.php  (今日は何の日)

■各地の日出没 ( 計算地: 札幌/仙台/東京/大阪/岡山/福岡/那覇 )
 ◆札幌 ( 8/28)
  日出  4時54分( 76度) 日没 18時17分(284度) 昼 時間 13時間23分
  月出  9時52分(110度) 月没 20時 5分(247度) 正午月齢  4.9
 ・札幌 ( 8/29)
  日出  4時55分( 76度) 日没 18時15分(284度) 昼 時間 13時間20分
  月出 10時57分(117度) 月没 20時28分(240度) 正午月齢  5.9

 ◆仙台 ( 8/28)
  日出  5時 2分( 77度) 日没 18時13分(283度) 昼 時間 13時間11分
  月出  9時44分(109度) 月没 20時17分(248度) 正午月齢  4.9
 ・仙台 ( 8/29)
  日出  5時 2分( 77度) 日没 18時11分(282度) 昼 時間 13時間 9分
  月出 10時45分(115度) 月没 20時44分(242度) 正午月齢  5.9

 ◆東京 ( 8/28)
  日出  5時 9分( 77度) 日没 18時15分(282度) 昼 時間 13時間 5分
  月出  9時45分(108度) 月没 20時27分(249度) 正午月齢  4.9
 ・東京 ( 8/29)
  日出  5時10分( 78度) 日没 18時13分(282度) 昼 時間 13時間 3分
  月出 10時44分(114度) 月没 20時56分(243度) 正午月齢  5.9

 ◆大阪 ( 8/28)
  日出  5時27分( 77度) 日没 18時30分(282度) 昼 時間 13時間 3分
  月出 10時 0分(108度) 月没 20時46分(249度) 正午月齢  4.9
 ・大阪 ( 8/29)
  日出  5時28分( 78度) 日没 18時29分(282度) 昼 時間 13時間 1分
  月出 10時59分(114度) 月没 21時16分(244度) 正午月齢  5.9

 ◆岡山 ( 8/28)
  日出  5時34分( 78度) 日没 18時37分(282度) 昼 時間 13時間 3分
  月出 10時 7分(108度) 月没 20時53分(249度) 正午月齢  4.9
 ・岡山 ( 8/29)
  日出  5時35分( 78度) 日没 18時35分(282度) 昼 時間 13時間 1分
  月出 11時 6分(114度) 月没 21時23分(244度) 正午月齢  5.9

 ◆福岡 ( 8/28)
  日出  5時49分( 78度) 日没 18時50分(282度) 昼 時間 13時間 0分
  月出 10時20分(108度) 月没 21時 9分(249度) 正午月齢  4.9
 ・福岡 ( 8/29)
  日出  5時50分( 78度) 日没 18時48分(282度) 昼 時間 12時間58分
  月出 11時18分(114度) 月没 21時39分(244度) 正午月齢  5.9

 ◆那覇 ( 8/28)
  日出  6時 7分( 79度) 日没 18時54分(281度) 昼 時間 12時間46分
  月出 10時20分(107度) 月没 21時33分(251度) 正午月齢  4.9
 ・那覇 ( 8/29)
  日出  6時 8分( 79度) 日没 18時53分(281度) 昼 時間 12時間45分
  月出 11時15分(112度) 月没 22時 7分(246度) 正午月齢  5.9

 ※ 出没時刻後の()は出没方位(北:0→東:90→南:180→西:270→北:360度)
 参照:https://koyomi8.com/sub/sunrise.html  (日出没計算)
    https://koyomi8.com/sub/moonrise.html (月出没計算)
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★      ■■■  ほぼ週刊 『暦のこぼれ話』 ■■■     ★
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■江戸時代の不定時法についての質問(2)
 昨日に引き続き、2025/8/22の暦のこぼれ話の記事

  『「おやつ」の時間・・・不定時法の話』

 に関連して読者の方(お二人)からいただいた「江戸時代の不定時法」にま
 つわる質問に答えてみたいと思います。昨日はhamtakさんからの、暦の上で
 の夜明けと日暮れの計算にかかわる数値についての質問(指摘?)について
 とりあげましたので、本日は、もうお一方(たろうさん)からの質問を採り
 上げました。いただいたメールの内容は以下のとおりです。

 ----------------------- たろおさんから質問 -------------------------
 Subject: 不定時法の細かいところについて質問

  (中略)
 当メルマガの 2025/08/22号 の「暦のこぼれ話」で
 不定時法の話しがありました。

 今回の話しでは語られておりませんでしたが、
 他に
 ・刻の区切りは各時辰の中心(正刻)であること。
 ・昼夜の調整は二十四節気が変わるごとに行う。
 などがあるかと思います。

 これらを踏まえて、かねてより疑問に思っていることがありまして、
 ご存じでしたらご教授いただけませんでしょうか。

 1.昼夜の区切りは明六ツ(卯の[正刻])、暮六ツ(酉の[正刻])になりますが
   そうなると卯の刻は前半が夜時間、後半が昼時間(酉の刻 はその反対)
   となり、他とは違う特別な長さの刻になるということでしょうか。

 2.昼夜の調整が行われるのは二十四節気が変わる日の 子の正刻 になるの
   かなと思いますが、その場合、前日が終わる直前と日が変わった直後と
   でズレが生じる(ちょっと飛んだり戻ったり)のではないかと思うのです
   がどうなのでしょうか。
  (後略)
 ------------------ たろおさんから質問・ここまで --------------------

 今回いただいた、たろおさんからのメールを拝見してまず思ったことは、

  「どうやら、よくある誤解をなさっているようだ」

 ということでした。
 質問に答える前に、まずこの「よくある誤解」について説明しておきましょ
 う。江戸時代の時刻制度はかなり、混乱していました。
 混乱していた理由は簡単、定時法と不定時法という異なる二つの時法が同時
 に使われていたからです。

 たろおさんの質問に答えるためには、江戸時代の定時法と不定時法について
 その基本を押さえておく必要があります。

◇江戸時代の「定時法」について
 江戸時代に使われていた定時法は、1日の長さを均等に12分の「辰刻(しん
 こく)」に分割して、それぞれの辰刻に子~亥の十二支の名前を付け

  子の刻、丑の刻、・・・

 のように呼ぶものでした。
 この時のそれぞれの辰刻は現在の2時間に相当するもので長さはすべて同じ
 です。季節によって辰刻の長さが変わることもありませんので「定時法」と
 呼ばれます。

※ここで時間の長さの基準となる1日は、実際の太陽の動きで測った真太陽日
 なので、その意味では、わずかな季節変化が生じます。しかしその差はご
 くわずかで、今回の説明には直接関係しないの無視します。

 1辰刻の長さは現代の2時間に相当します。これをさらに前半と後半に分けて
 前半の始まりを初刻(しょこく)、後半の始まりを正刻(しょうこく)と呼
 び「子の初刻」「子の正刻」のように細分して使うこともありました。

 この定時法は現在、私たちが使う時刻系に近いので、両者の対応を考えるの
 は簡単で、次のようになります。

  子の刻 (23時~ 1時) 子の初刻(23時) 子の正刻( 0時)
  丑の刻 ( 1時~ 3時) 丑の初刻( 1時) 子の正刻( 2時)
   (中略)
  戌の刻 (19時~21時) 戌の初刻(19時) 戌の正刻(20時)
  亥の刻 (21時~23時) 亥の初刻(21時) 亥の正刻(22時)

 定時法の「刻」(「辰刻」とも書く)は長さが変わりませんから、一定の時
 間の長さを測ることのできる「時計」を使うことに慣れた私たちにはわかり
 やすい時刻系です。時の長さの単位が一定なのは、暦の計算などには便利で
 すから、基本的に暦の計算、表記はこの定時法でした(例外は天保暦)。

 この時法で唯一厄介なところがあるとすればそれは、日付の変更が子の刻の
 半ばの「子の正刻(正子)」に行われることくらいでしょう。この子の刻だ
 けは、その前半と後半とで、日付けが異なってしまいます(ここは要注意で
 す)。

◇江戸時代の不定時法
 これに対して不定時法は

  暁九ツ、暁八ツ、暁七ツ、明六ツ、朝五ツ、朝四ツ、
  昼九ツ、昼八ツ、夕七ツ、暮六ツ、夜五ツ、夜四ツ

 暁・明・朝・昼・夕・暮・夜などの文字が付くのは「九ツ」のような言葉が
 1日に2度現れるので、これを区別するためです。なおそれぞれの時刻は

  四ツ時(どき)

 のように「時」を付けて呼ぶこともあったようです。ちなみに、それぞれの
 「時」の半分の時刻は「四ツ半(はん)」のように表現したようです。

 この時法では

  昼:明六ツ~暮六ツ
  夜:暮六ツ~明六ツ

 の期間として、昼と夜それぞれを六分割して

  昼:明六ツ、朝五ツ、朝四ツ、昼九ツ、昼八ツ、夕七ツ
  夜:暮六ツ、夜五ツ、夜四ツ、暁九ツ、暁八ツ、暁七ツ

 に割り振ります。昼と夜の区切りとなる明六ツは夜明け、暮六ツは日暮れの
 瞬間です(これは、2025/8/22号の暦のこぼれ話に書いた通り)。

 昼と夜の長さは同じではないので、「時」の長さは昼と夜とで異なります。
 また夜明けや日暮れの時刻は、季節によって大きく変わりますから、これを
 基準にして決まる「時」の長さは、季節によっても変化します。このように
 「時」の長さが一定しませんので、不定時法と呼ばれるわけです。

 不定時法は、今から見れば大変不便な、不思議な時法ですが、時計などなか
 った時代においては、時を知るための身近な道具(?)といえば太陽でした
 ので、江戸時代の人々のほとんどは、太陽の動きを基準とした不定時法に則
 って、暮らしていたのでした。

◇定時法と不定時法の時刻が一致する瞬間
 大きく異なる江戸時代の定時法と不定時法ですが、まったくばらばらという
 わけではありません。1日に2度、両者が一致する瞬間があります。それは

  子の正刻(正子) = 暁九ツ
  午の正刻(正午) = 昼九ツ

 です。この関係は1日の中で

  『夜明け~正午までの時間 = 正午~日暮れまでの時間』

 となりますから、昼の時間の真ん中から始まる昼九ツは正午に一致すると考
 えれば理解しやすいと思います(正子と暁九ツの一致も同様)。

 定時法と不定時法とでは、その仕組みは大きく異なりますが、まったく一致
 点がない時法ではありません。

◇時刻の呼び名の混乱
 江戸時代の定時法と不定時法の基本を書いてきました。
 両者が一致する瞬間はあるとはいえ、これだけ違う2つの時法が、並行して
 使われていたのですから、混乱してしまうのも無理からぬことです。

 しかも、さらに混乱に拍車をかける問題がありました。
 それは「時の呼び名」です。

  「辰の刻」って、不定時法では何時?

 といわれても、すぐには答えられません(季節変化は考えなくとも)。
 江戸時代の皆さんだって、そうだったでしょう。
 そこで、便宜的に

  子の時はよるの九つ  丑の時はよるの八つ
  寅の時はよるの七つ  卯の時はあさの六つ
  辰の時はあさの五つ  巳の時はひるの四つ
  午の時はひるの九つ  未の時はひるの八つ
  申の時はひるの七つ  酉の時はばんの六つ
  戌の時はよひの五つ  亥の時はよるの四つ
 (寛永九年刊「大雑書」、「十二時のくりやうの事」より)

 のように、大体同じ時間帯を表す定時法での呼び名と不定時法の呼び名を対
 応させて使うようになりました。ここでは定時法の呼び名を対応する(とい
 っても、本当は1時間くらいずれている)不定時法の呼び名に置き換える形
 で書かれていますが、当然逆に使う場合もあって

  明六ツ = 卯の時(または、卯の刻)

 のように使う場合もあります。
 こうなってくると「卯の時」といわれても、それが定時法の「卯の刻」の意
 味なのか、不定時法の明六ツの便宜的な呼び名なのかわかりません。
 使われた場面や、使っている人、あるいは前後の出来事などなど、考慮しな
 いと正しい意味が読み取れないのです。

 それどころか、「卯の時」という言葉を使った人自体が、よくわからないま
 ま使っているということも多かったようです。

 「あやふやなままで使うなんて、ありえない!」と思うかもしれませんが、
 ありえたようです。江戸時代には度々誤った使い方をしないようにと、注意
 喚起する文書や本が出ています。こうしたものが度々出されたということは
 それだけ、誤った使い方が多かったということでしょう。

 また、例に挙げた「大雑書」の記述は、定時法と不定時法のおよその対応を
 便宜的にはかったものなのでしょうが、この文を鵜呑みにしてしまうと

  「子の刻」の始まりと「よるの九つ」の始まりは同じ

 というような、新たな誤解も生みだします(この誤りも、江戸時代に既にあ
 ったようです)。

◆たろうさんの質問への答え
 江戸時代の二つの時法の基本を押さえたところで、ようやく質問への答えで
 すが、ここまで基本を押さえていただければ、答えは自明ですよね?

 【質問1】
   昼夜の区切りは明六ツ(卯の[正刻])、暮六ツ(酉の[正刻])になりますが
   そうなると卯の刻は前半が夜時間、後半が昼時間(酉の刻 はその反対)
   となり、他とは違う特別な長さの刻になるということでしょうか。

 質問では『明六ツ(卯の[正刻])、暮六ツ(酉の[正刻])』となっていますが、
 明六ツは卯の正刻ではありませんし、暮六ツも酉の正刻と関係がないので、
 卯の刻や酉の刻の長さが、前半と後半で異なることはありません。

 また、この質問の「卯の刻」ということばが、明六ツを便宜的に言い換えた
 ものだとしても、その場合は

  「卯の時はあさの六つ」

 という言い換えということで、明六ツそのものですから、やはり前半後半で
 長さが変わるということはないことになります。

 【質問2】
   昼夜の調整が行われるのは二十四節気が変わる日の 子の正刻 になるの
   かなと思いますが、その場合、前日が終わる直前と日が変わった直後と
   でズレが生じる(ちょっと飛んだり戻ったり)のではないかと思うのです
   がどうなのでしょうか。

 夜四ツと暁九ツは連続しており、通常は長さも同じですが、二十四節気が変
 わる前後では、この二つの長さが異なるのはおっしゃる通りです。
 時計の歩度調整ということで考えると、現代でこれに類似するものとしては
 閏秒の調整が挙げられるでしょうか。

 現在は、不定時法を使っていないおかげで、こうした調整を頻繁に行う必要
 がないのは、幸いですね。

 以上、「江戸時代の不定時法についての質問(2)」でした。
 書き始めた時には、こんなに長くなるとは思いませんでしたが、いかがでし
 たか? たろおさんや他の読者の皆さんの参考になれば幸いです。
 (長くなりすぎて、ちょっと疲れたかわうそでした)

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