日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■おかしなチェーンメール 昨日で10月が終わってしまいましたが、その10月の終わりの日に、今年の10 月についてかかれた「おかしなチェーンメール」の情報を読者の M.Mさんか らいただきました。 暦のこぼれ話の種に困っている私としては、利用しない手はないと、早速本 日使わせていただきます。 ◇M.M さんからいただいたメール(抜粋) 以下のようなメールが届きました。 823年に一度って、今のこよみを使っている上において、 なのだと思うのですが、計算上、本当ですか? くだらないとは思いましたが、気になったものですから。 お忙しいところをすみません。 > 「☆彡すごいですよ☆彡 > 2010年10月は > 5回の金曜日 5回の土曜日 5回の日曜日 > すべて1ヶ月の中にあります。 > これは823年ぶりの事だといいます。 > 8名の大切な人に、 > この内容を教えてあげるとお金が入ってくるそうです。 > 中国の風水を基礎に言い伝えられている事です > 大切な貴方に送らせて頂きます > 豊かに!幸福になって下さい > 幸せの手紙とは、違います♪ ◇大切な皆さんへ・・・ 省略しましたが「8 名以上」に送ってもよいとも書いてありましたので、日 刊☆こよみのページの読者の方、4000名弱に送った私はきっと大金持ちにな ることでしょう。それにしても、 「5回の金曜日 5回の土曜日 5回の日曜日がすべて1ヶ月の中にあります。 これは 823年ぶりの事だといいます。」 には恐れ入りました。 日刊☆こよみのページの読者の皆さんなら既におわかりの通り、でたらめも いいところです。 この条件は、ちょっと考えれば、月の日数が31日の大の月で、その月の 1日 目が金曜である月と同じ意味だとわかります。 月の初めの日が何曜日になるか、曜日が 7通りしかないのでその確率はほぼ 1/7 。現在の暦で大の月になるのは1,3,5,7,8,10,12 月。つまり 1年に 7回 ありますから、単純に考えて、問題となった条件を満たす月は 1年に平均 1 回は登場します(実際は各月の日数の並びから、多い年と少ない年が出来る ので短期的には、出現頻度に偏りがあります)。ひいき目に考えても 823年 ぶりは大げさすぎますね。 お手元に今年、2010年の 1年分の曜日の書かれたカレンダーがあればそれを、 無ければ、こよみのページの「万年カレンダー」をご覧いただきたい。 今年、問題の条件を満たす月は10月ですが、よく見ると 1月も同じじゃない ですか。これで、あっさり「 823年ぶり」は嘘だとわかります。 ◇グレゴリオ暦の日付と曜日の関係 現在使われているグレゴリオ暦では、 1年は平年は365日、閏年は366日です。 この数字を 7で割ったときのあまりは、1及び2。 つまり、平年なら翌年の 1/1の曜日は今年の 1/1の次の曜日。閏年なら、次 の次の曜日になります。これが積み重なって、曜日のズレが 7の倍数となる と、 1/1の曜日は元に戻ります。 そして 1年の各月の日数は、平年か閏年かで変化する 2月をのぞいて年ごと に変化することがありませんから、平年同士、閏年同士であれば、 1/1の曜 日が同じ年は 1年を通して日付と曜日の関係も同じになります。 一度冒頭で紹介したチェーンメールのような曜日の配列の月を見つけたら、 次に同じ曜日の並びの年を見つけるのは案外簡単。 1/1の曜日のズレの数を 数えればいいのです(平年か、閏年かには注意して)。 1900, 2100年などのやや特殊な年を除けばグレゴリオ暦では 4年に一度閏年 が入ります。ですから、 4の倍数だけ年数が離れた年は、平年なら平年、閏 年なら閏年になります。 次に 1/1の曜日のズレの量は平年なら 1、閏年なら 2ですから、ある期間内 に平年も閏年も 7の倍数となるような年を探せればその年は基準とした年と 同じ日付と曜日の組み合わせになります。 この二つの条件を満たす年は、先に書いた1900年などの特殊な年を挟まない 期間であれば、28年ごとにやってきます。28年は 4の倍数の年で、その間に 平年は21回、閏年は 7回と 7の倍数となるからです。 よって、メールのような組み合わせは普通は、28年ごとには普通に起こるの です(平年と閏年の並びに気をつければ、もっと短い間隔も見つかりますの で、興味のある方は探してみてください)。 さらに、グレゴリオ暦では年の配置と曜日の並びは 400年ごとに完全に同じ になります(今年2010年の日付、曜日の並びは、1610,2410,2810・・・と同 じ)ので、一度起こった曜日と日付のどんな組み合わせも 400年ごとには起 こるので、この周期を超えた「 823年ぶり」なんて云う話があれば、これは でたらめに決まっています。 ◇最後に 話の発端となったメール、転送してくださった M.Mさん自身も「おかしい」 とお気づきになっていたのですが、それこそ今年のカレンダーをよく見れば 嘘だとわかるようなこんなデマでも、信じてしまう人はいるのでしょうね。 皆さんも、こんなメールを受け取った時には、ちょっと考えてそしてゴミ箱 に捨ててしまいましょう。 最後の最後に、メールにあった状態になる月を2000~2019年の間で拾い出し てみると、次のようになります。20年間に18回。 823年ぶりってことはあり ませんでしたね。 2000/12,2002/03,2003/08,2004/10,2005/07,2006/12,2008/08,2009/05 2010/01,2010/10,2011/07,2013/03,2014/08,2015/05,2016/01,2016/07 2017/12,2019/03
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