日刊☆こよみのページ スクラップブック(PV , since 2008/7/8)
■龍の頭に囓られる夕日、日没帯日食 今年は、元日早々月食がありました。 食分はわずかで、あまり話題になりませんでしたが。 そしてその元日から半月経った1/15、小正月の日には今度は日食が起こりま す。日食といえば昨年は天文現象と云うより「社会現象?」と思えるほど日 本中大騒ぎしたことがまだ記憶に新しいのですが、同じ日食なのに今回は至 って静か。この落差は何でしょうね。 ◇今回の日食は、龍の頭 西洋占星術のホロスコープには太陽や月、惑星などが登場しますが、こうし た現実の星以外にも、架空の星のようなものも登場します。そうした架空の 星に、龍の頭と尻尾があります。 ドラゴンヘッド(龍頭、Dragon Head または北節、North Node) ドラゴンテール(龍尾、Dragon Tail または南節、South Node) これが龍の頭と尻尾です。 この頭と尻尾は何者かというと、 黄道と白道の交点 のことです。天文学的に言えば、太陽の通り道である黄道に対する月の通り 道である白道の交点、つまり月軌道の昇降点と云うことになります。 頭が「昇交点」、尻尾が「降交点」。二つ合わせて「昇降点」と呼びます。 なぜこれが他の「惑星」並に天体の位置として計算されるかと言えば、この 頭と尻尾の位置に太陽と月がある時に、日食・月食が起こることから、この 位置には太陽や月を蝕む(食)何かがあると考えたのです。 太陽と月が同じ頭、あるいは尻尾の側にあるときには日食が、頭と尻尾とに 分かれてあるときには月食が起こります。 元旦の月食と明日、1/15の日食は 2010年元旦の月食 太陽は龍の頭 、 月は龍の尻尾 2010年1/15の日食 太陽・月とも龍の頭 付近にあります。 明日は、龍の頭付近に太陽と月が両方並びますので、地球から見て手前にあ る月によって太陽が隠される日食が起こります。 ◇龍頭・龍尾は星? 占星術が生まれた頃は龍頭・龍尾で日食・月食が起こることは判っても、月 と太陽の距離の違いや、月が太陽の光を反射して光る天体だとかは判らなか ったわけですから、日食・月食が起こる原理ははっきり判りませんでした。 そこで当時としては理解しやすい理由を考えた結果、そこには龍頭と龍尾と いう二つの見えない天体があって、その天体に太陽が隠されるとき日食が、 月が隠されるときに月食が起こると考えたのです。つまり龍頭と龍尻尾は普 段は目に見えない天体と考えたのです(古代の人々の空想はさらに拡がり、 それが龍の頭と尾となってしまったわけですね)。 ◇2010/01/15の日食 この日食は地球全体で見れば、金環食と呼ばれる日食です。月が地球から遠 い距離にある時に日食が起こる場合、月は遠くにあるので月の見かけの大き さが小さくなりますから、月が太陽を完全に隠しきれず、月の周りから太陽 が少々はみ出して見えるのが、この金環食です。完全に隠す場合が皆既日食 になります。 1/15の月と地球の距離は約405400km。月までの平均距離384400kmに比べて、 5.5%程遠くにあるので、月が太陽を隠しきれないのでした(今回の日食が金 環食として見える場所は、インド辺りです)。 残念ながら日本では金環食にはならず、部分日食となります。 その部分日食も、見える場所は関東より西の地域だけ。 関東より東の地域では、日食が始まる前に太陽が西の地平線に沈んでしまう のでした。残念ですね。 関東より西の地域では、16時45分頃から太陽が欠け始め、欠けたままで日没 を迎えることになります(こういう日食を「日没帯日食」といいます)。 日本では西に行けば行くほど、日食が始まってから日没までの時間が長いの でそれだけ、日食が進む様子がよく見えることになります。 沖縄くらいまで行けば、太陽の直径の60%程まで欠けた状態が見えます。 本州、四国、九州ではそこまで欠けた状態に進む前に日没を迎えますが、太 陽一部が「龍の頭」に囓られて欠けたままで沈んでいく、ちょっと面白い光 景が見られるはずです。
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